服帯を巻く儀式は、江戸時代中期、5代将軍綱吉の頃から庶民の間で広がったと言われています。戌(いぬ)の日に服帯を巻くのは犬のお産が軽いので、それにあやかろうとの意味合いがあるようですが、安産のために服帯を巻くのは、日本だけの風習です。ただ、下腹部の筋肉補強の意味もあり、全く無駄ではないと思いますので、さらしの布(岩田帯)でなくてもガードル式のものでも構いません。また、常日頃から下半身の筋肉を鍛えてあれば、必ずしも福帯をする必要はないかもしれません。福帯をするかどうかは世代によって考え方が異なりますので、妊婦さん自身が決めることが大切です。うまく使うと、妊娠後半期の腰痛軽減にもなります。着帯の儀式は神社へのお参りや家族内でのお祝いをして、妊婦さんを精神的に支えてあげることだと考えると、日本の良い習慣ではないかと思われます。