放射線が胎児にいろいろな影響を及ぼし、大量に照射すると奇形児が生まれることは動物実験で分かっていますが、動物実験の放射線照射の量は、胸のエックス線写真の数百倍です。従って通常の検査の照射で胎児が奇形を起こすことは、まずないと考えられています。ただ、医学的に影響がないと考えられていても、エックス線照射を受けないことに越したことはありません。妊娠と分かっている場合はもちろん、妊娠の可能性が考えられる場合も腹部を遮蔽(しゃへい)してもらってください。また、虫歯治療のために歯の写真を撮ったり、つわりを胃の病気と思って胃のエックス線写真を撮ってしまうこともあります。そのときは、エックス線照射を受けた時期、体の部位、線量などを担当医に聞いてみてはいかがでしょうか。