葉酸は、ホウレン草の中から見つかった水溶性のビタミンB群の一つで、緑黄野菜、中でも緑色の濃い葉物に多く含まれています。ただ、熱に弱く、水に溶け出しやすい性質を持っているので調理法には十分な注意が必要です。葉酸が妊娠中に欠乏すると、胎児神経管閉鎖障害などの発症が報告されていますが、妊娠初期の十分な摂取により、胎児神経管閉鎖障害という先天奇形の予防に効果があるともいわれます。胎児の器官形成は、妊娠4週には開始されますので、妊娠を希望する女性は妊娠前より葉酸を十分含んだバランスの良い栄養摂取が重要です。胎児神経管閉鎖障害を予防するために、妊娠中の女性が1日に必要とする葉酸の量は0.4~0.8ミリグラムといわれており、厚生労働省の指導では、1日に野菜350グラム程度が必要となります。毎日の食事でバランス良く野菜を食べることは、なかなか難しいかもしれません。特に葉酸が必要な妊娠初期は、つわりなどで十分な食事を取ることさえ難しい時期です。妊婦さんの栄養は食事から取るのが原則ですが、この場合は市販のサプリメントでもよいと思います。