赤ちゃんを母乳で育てたいと思っています。 妊娠中からどんなことに気を付けたらいいでしょうか。

母乳には、人工栄養ではどうしても補えない数々の利点があります。その1つには免疫物質が母親から子どもに移行して、感染を起こしにくくなり、アレルギー疾患の発症やアトピー、喘息(ぜんそく)になる子どもが少なくなります。さらに、母と子が触れ合うことで、子どもの精神的発達にも良い面が指摘されており、最近問題になっている児童虐待なども少なくなるのではと考えられます。このようなことを十分理解して、妊娠中から母乳の手入れをしていくことが大切です。まず妊娠28週ごろから1日1回温かい石けん水で乳頭をよく洗い、水気をふき取りオリーブオイルを乳輪に塗ります。34週ごろより乳頭を清潔にした後、親指と人差し指で乳頭をつまみ上げ、しばらくそのままにして元に戻すことを数回繰り返します。これを朝夕1回行います。36週ごろから乳頭の分泌口を開くようにしていきます。手は爪(つめ)を切り、薬用石けんで洗って清潔にします。乳頭を清浄綿でふき、オリーブオイルを塗った後、乳頭をつまみ上げ、乳管部を強く搾るようにします。指の腹で乳頭を緩くつまんだままで指をすり合わせ、引き延ばすようにしながら指を放します。これを1日3~4回繰り返して頑張ってみましょう。助産師による乳房マッサージも有効です。病院に相談してみてください。