妊娠8ヵ月の妊婦です。 初めての妊娠で、正常分娩ができるかとても不安です。

分娩は正常のもので、十分に心と体の準備をしておけば心配ないものですが、約1割から2割の方が帝王切開になることがあります。

帝王切開を行うかどうか医師が判断するポイントとして、

1、胎盤が子宮口を完全にふさいでいるなど絶対に経膣(ちつ)分娩ができない場合。

2、多胎妊娠などで、経膣分娩の可能性はあるが、胎児への危険が大きい場合。

3、分娩中、急に胎児の状態が悪くなるなど、陣痛が始まってからの経過で、帝王切開の方が安全性が高いと判断した場合などです。

現在の帝王切開は非常に安全で、母と児の救命をはかるうえで大変有効な手段です。多くの場合、腰椎(ようつい)麻酔という部分麻酔で行われますので、お母さんに赤ちゃんの泣き声は聞こえるし、すぐに元気な顔を見ることもできます。通常、医療は十分なインフォームドコンセント(説明と同意)のもとで行われますが、分娩中にはいわゆる胎児仮死などで状況が一変し、予兆なく緊急手術が必要となることがあります。お母さんとしては、事態の急変にびっくりされるかもしれませんが、このような事態が起こり得ることを理解し、落ち着いて対応できるように心の準備をしておきましょう。