葉酸は、ホウレンソウから見つかったビタミンB群の一つで、妊娠初期の摂取が、二分脊椎や無脳症(頭蓋形成不全)などの胎児神経管閉鎖障害の発症予防に効果があることが明らかになっており、アメリカやイギリスでは葉酸摂取により、胎児神経管障害の発生が約10分の1に減少したとの報告もあります。一方、日本では葉酸摂取の重要性の認識が少なく、いまだに多くの効果は見受けられませんが、厚生労働省は、妊娠する1ヵ月以上前から妊娠3ヵ月までに1回0.4ミリグラムの葉酸を摂取すれば、神経管障害の約70%に予防効果があるとして葉酸の摂取を推奨しています。胎児の器官形成は、妊娠4週間には開始するため、妊娠希望の女性は日頃から葉酸を含んだバランスの良い栄養摂取が重要です。また、つわりがひどい妊婦さんは食事が偏り気味ですので、葉酸のサプリメントの補給もよいと思います。葉酸を多く含んでいる野菜は、モロヘイヤ、枝豆、ホウレンソウ、ブロッコリー、カボチャなど。果物はイチゴ、ミカン、バナナ、キウイ、アボカドなどがあります。葉酸は水溶性ビタミンのため分解されやすいので、調理法にも工夫が必要です。病院の栄養士さんなどに、摂取法や調理法を相談してみてはいかがでしょうか。