葉酸は、ホウレン草の中から見つかったビタミンB群の一つです。妊娠初期の十分な摂取が、二分脊椎や無脳症など胎児神経管閉鎖障害発生予防に効果があることが明らかになりました。これらの病気の予防活動が多くの国に広がったのを受け、日本の厚生労働省も、2000年12月「妊娠1カ月以上前から、妊娠3カ月までに1日0・4ミリグラムの葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の約70%の予防効果がある」と勧告しています。胎児の器官形成は、妊娠4週には開始するため、妊娠可能な女性は妊娠の診断前から、葉酸を含んだバランスのよい栄養摂取が重要です。しかし、食事からは葉酸を十分に摂取できないため、錠剤の服用が勧められています。米国、英国では葉酸摂取により、神経管閉鎖障害の発生が約10分の1に減少しています。