妊婦さんに安静を指示する場合は、大きく分けて二つの安静度があります。一つは入院を必要とする〝入院安静〟で、寝たきりのベッド上安静から、院内歩行可の軽い安静まで分かれています。もう一つは家で安静にするという〝自宅安静〟で、これもいくつかの段階に分けられますので、主治医に一つ一つの禁止事項の確認が必要です。ただ、トイレも控えるようにということであれば入院になるでしょうから、自分の身の回りの必要最小限のことはしてもいいと思います。家事やお風呂はケースバイケースで制限されることもあります。妊娠初期の流産の半数以上は胎児側(受精卵)の異常が原因といわれますが、日本の風土を考えると、安静を指示されたら無理を避け、仕事も休む方がいいかもしれません。自宅で音楽を聞いたり、実家でお母さんに身の回りの世話を助けてもらったりした方がストレスを感じず、子宮の安静も保たれます。妊娠中期に子宮収縮抑制剤が処方されたら、安静と共に指示された量を服用しましょう。もちろん、ご主人の心温まる愛情や手助けが一番の安静であることは言うまでもありません。