妊娠中毒症とは、妊娠経過にともない血液や循環器の変化に母体が適応できなくなった場合におこります。症状は手足のむくみ(浮腫)・高血圧・タンパク尿の内、1つでもあれば妊娠中毒症と言います。軽度の場合は、食事療法と安静が中心となります。食事療法については減塩食・低カロリー療法が主体です。食事でNaclを減らす減塩食の工夫として、塩分は1種類のおかずにだけで他のものには使わない。食品の表面だけ味をつける。酢やレモン、薬味と香辛料の利用。煮汁を少なくして、加工品や既製品は避ける。ご飯、麺(めん)類、汁ものの量を控えて、良質のタンパク質や新鮮な野菜、果物を十分にとり、正常妊婦さんの1日摂取カロリー(2350kcal)以下におさえましょう。妊娠中毒症が悪化した場合、母体の腎臓や血管・胎盤に異常が発生しやすく、胎児の発育が遅れたり、ときには、早産・死産ということもあります。その予防のため、何よりも普段より食生活に気を付けることが大切です。むくみや体重・血圧のチェックは自宅でもできるので頑張ってやってみましょう。