放射線がさまざまな影響を胎児に起こすことや、大量に被ばくすると肢体の不自由な子どもが生まれることは動物実験で知られています。しかし、医療として普通一般的な診断にしようするエックス線の量はわずかですから、検査で胎児に異常を起こすことはまずないと考えていいでしょう。赤ちゃんが骨盤を通れるかどうかのエックス線検査は、出産予定に近くなってから、赤ちゃんと骨盤の大きさを前後と左右から2枚撮ります。骨盤のエックス線写真は、赤ちゃんの頭が大きいか、母体の骨盤が狭いと予想される場合に、児頭骨盤不均衡を疑い撮影し、不均衡が確定的な場合、経膣分娩(けいちつぶんべん)は不可能となり、帝王切開が選択されます。ですから、この撮影は分娩方法を決定する上でも重要な検査となります。撮影時期は妊娠36週以降ですので、赤ちゃんへの影響はわずかで、考えなくてもいいと思われます。