妊娠高血圧症候群(PIH)は、妊娠経過に伴う血液や循環器の変化に母体が適応できなくなった場合に起こります。主な症状は高血圧とたんぱく尿で、朝、手足にむくみがあれば初期症状と見て、塩分を少し控えてください。体重も1週間で200〜300グラムの増加に抑えるようにしましょう。頭痛や目まいなどがあれば、血圧が高いことがあり、自宅での血圧測定をお勧めします。自宅血圧が高ければ、朝夕の血圧推移を記録して、早めに診察を受けましょう。母体のリスク要因としては、40歳以上の高齢妊婦、肥満、初妊婦、多胎妊娠などが挙げられ、PIHが悪化した場合は、腎臓や血管、胎盤に異常が発生しやすくなり、子宮内胎児発育遅延や、時には早産・死産ということもあります。軽度の場合は、食事療法と安静が中心ですが、リスクが高い妊婦さんは、早期に入院して重症化を防ぐ治療をすることもあります。