静脈瘤(りゅう)は血液の流れが停滞することにより、血管内の圧力が高まり、壁の薄い静脈が拡張して見えるものをいいます。原因は、妊娠で子宮が大きくなるにつれて、その圧迫で下半身からの血液が戻りにくくなること。妊娠によるホルモンの影響で静脈自体の緊張が弱くなるためと考えられています。静脈瘤は静脈血栓塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)を起こす高リスク因子であり、予防として医師の積極的な治療が必要とされています。手当ては下半身の血行を良くすることがポイントで、①同じ姿勢を2時間以上取らない②夜間は脚を高くして寝る③昼間10分でもいいので、脚を高くして横になる④入浴時に脚のマッサージをする⑤散歩を生活の中に取り入れる、などです。静脈瘤は出産後、2~3カ月でなくなることが多いようですが、症状の悪化を防ぐため妊娠中に弾性ストッキングを活用するのも良いと思います。また、出産後の弾性ストッキングの着用も勧められています。